💡 このページでわかること
- クラウドの基本的な意味と仕組み
- 身近で使われているクラウドサービス
- クラウドが使われる場面
- クラウドのメリット・デメリット
「クラウド」という言葉を、仕事やニュースなどで見かけることはありませんか?
「なんとなくインターネット上にあるもの?」
「Google DriveやiCloudのこと?」
「オンプレミスとは何が違うの?」
このように、言葉は聞いたことがあっても、具体的な意味までは分からない人も多いでしょう。
この記事では、IT初心者向けにクラウドとは何なのか、身近な例やオンプレミスとの違い、メリット・デメリットまで分かりやすく解説します。
クラウドとは?
クラウドとは、簡単にいうと「インターネット経由で、必要なITサービスや機能を利用する仕組み」のことです。
正式には「クラウドコンピューティング(Cloud Computing)」と呼ばれます。
これまでパソコンで作業するときは、ソフトを自分のパソコンにインストールしたり、作成したデータをパソコン本体に保存したりするのが一般的でした。
一方、クラウドでは、サービスを提供する会社が用意したIT環境を、インターネット経由で利用します。
「自分で用意する」のではなく、「必要なIT環境を借りて使う」と考えるとイメージしやすいでしょう。
詳しいイメージは、以下の図解で確認してみてください。
たとえば、写真やファイルを保存したり、メールを送受信したり、Web上でWordやExcelを使ったりするときにも、クラウドが利用されています。

クラウドとオンプレミスの違い
クラウドと対比して使われる言葉に「オンプレミス」があります。
オンプレミスとは、自社でサーバーなどのIT環境を用意し、管理する方式のことです。
クラウドとオンプレミスの違いは、簡単にいうと「IT環境を自分で用意するか、サービスとして利用するか」という点にあります。
詳しい違いは、以下の図解で整理してみましょう。
自家用車を持つのが「オンプレミス」、カーシェアやレンタカーを利用するのが「クラウド」と考えるとイメージしやすいでしょう。
もちろん、実際の仕組みは車とは異なりますが、「自分で用意して持つ」のか「必要なものを借りて使う」のかをイメージするための例えです。

身近なクラウドサービス
「クラウド」と聞くと難しく感じますが、実は私たちは普段からたくさんのクラウドサービスを利用しています。
◎Google Drive・iCloud・OneDrive
Google Drive、iCloud、OneDriveなどは、写真や文書ファイルなどをインターネット上のサーバーに保存・同期できるサービスです。
スマートフォンが故障しても、クラウドに正常に保存されていれば、別の端末からデータを確認・復元できる場合があります。
「スマホの中だけに保存する」のではなく、インターネット経由で利用できる場所にデータを保存することで、複数の端末から利用しやすくなります。
◎Gmail・Yahoo!メール
GmailやYahoo!メールも、身近なクラウドサービスの一例です。
パソコンに専用のメールソフトをインストールしなくても、ブラウザからログインしてメールを送受信できます。
メールのデータや処理をサービス提供側のサーバーで管理しているため、インターネット経由でさまざまな端末から利用できます。
◎Microsoft 365のWeb版Office
Microsoft 365では、WordやExcelなどをブラウザから利用できるWeb版Officeが提供されています。
パソコンにソフトをインストールして使う方法だけでなく、インターネット経由でサービスを利用できるのもクラウドの特徴です。
このように、クラウドは特別なものではありません。
私たちはすでに、日常生活の中でクラウドを利用しています。
クラウドはどんな場面で使われる?
クラウドは、個人のスマートフォン利用だけでなく、会社の業務システムやWebサービスなど、さまざまな場面で利用されています。
たとえば、
- 写真やファイルの保存
- メールの送受信
- Web会議
- ファイルの共有
- 社内の業務システム
- Webサイトやアプリの運用
- データベースの利用
- システムやアプリの開発
などがあります。
特に企業では、自社で大量のサーバーや機器を用意する代わりに、クラウド上のIT環境を利用するケースが増えています。
クラウドのメリット
クラウドには、さまざまなメリットがあります。
1. さまざまな場所・端末から利用しやすい
クラウドサービスによっては、インターネット環境があれば、会社のパソコンだけでなく、自宅のパソコンやスマートフォンなどから同じデータやサービスを利用できます。
そのため、テレワークや外出先での作業などにも活用されています。
※会社のシステムなどでは、セキュリティ上の理由から利用できる場所や端末が制限されている場合があります。
2. サーバーなどの機器を自社で用意せずに始められる
クラウドでは、必要なIT環境をサービスとして利用できるため、自社でサーバーや機器を購入して設置する場合と比べて、初期費用や導入までの時間を抑えられることがあります。
また、必要なときに利用する量を増やしたり、減らしたりしやすいサービスもあります。
3. 自分で管理する機器を減らせる
クラウドでは、サーバーなどの物理的な機器の管理や、サービス側のシステム更新などを提供元が担当します。
そのため、自社でサーバーを用意する場合と比べて、機器の管理や保守にかかる負担を減らせることがあります。
ただし、クラウドを利用すればすべての管理が不要になるわけではありません。
アカウントやパスワード、利用者の権限設定、データの扱いなど、利用する側で管理する必要があるものもあります。
クラウドのデメリット・注意点
便利なクラウドですが、注意しておきたい点もあります。
1. インターネット環境に左右される
クラウドサービスはインターネット経由で利用するため、インターネットに接続できないと、利用できる機能が制限される場合があります。
また、通信環境が悪いと、サービスの表示やデータの読み込みに時間がかかることもあります。
2. 利用者側でもセキュリティ対策が必要
クラウドサービスの提供元がセキュリティ対策を行っていても、利用者側の管理が不十分だと、不正アクセスなどにつながる可能性があります。
たとえば、
- パスワードを使い回さない
- 推測されにくいパスワードを設定する
- 二段階認証・多要素認証を利用する
- 不審なメールやリンクを開かない
- 利用者ごとの権限を適切に設定する
といった対策が重要です。
「クラウドだから安全」「クラウドだから危険」と単純に考えるのではなく、提供元と利用者の両方で適切な管理を行うことが大切です。
3. 継続的に費用がかかる場合がある
クラウドサービスは、購入して終わりではなく、毎月・毎年の利用料が発生するものがあります。
特に企業で大規模に利用する場合は、利用する人数やデータ量、機能などによって費用が変わることもあります。
そのため、導入時の費用だけでなく、長期的にどのくらいの費用がかかるのかを考えることも重要です。
関連する用語
クラウドには、提供される範囲によってさまざまな形態があります。
代表的なものがSaaS・PaaS・IaaSです。
それぞれ「どこまで用意してもらうか」が異なります。
- SaaS:完成したアプリを使う
- PaaS:アプリを作る環境を使う
- IaaS:サーバーなどのIT基盤を使う
詳しい違いや具体例は、以下の図解で整理しています。
最初は、「SaaS=アプリ」「PaaS=開発環境」「IaaS=IT基盤」とざっくり覚えておけば十分です。

よくある疑問
Q. クラウドとインターネットは同じですか?
A. いいえ、同じものではありません。
インターネットは、世界中のコンピューターやネットワークをつなぐ仕組みです。
一方、クラウドは、そのインターネットなどのネットワークを通じて、サーバーやストレージ、アプリケーションなどのITサービスを利用する仕組みです。
「インターネットという道を通って、クラウドというサービスを利用する」と考えるとイメージしやすいでしょう。
Q. クラウドにデータを預けてもセキュリティは大丈夫ですか?
A. クラウドだから絶対に安全、というわけではありません。
クラウドサービスの提供元はさまざまなセキュリティ対策を行っていますが、利用者側でも適切な管理が必要です。
特に、IDやパスワードが第三者に知られると、不正アクセスにつながる可能性があります。
二段階認証や多要素認証を設定するなど、基本的なセキュリティ対策を行いましょう。
Q. クラウドは無料で使えますか?
A. 無料で利用できるクラウドサービスもあります。
たとえば、ストレージサービスには一定の容量まで無料で利用できるものがあります。
ただし、保存できる容量を増やしたり、より高度な機能を利用したりする場合には、有料プランへの変更が必要になることがあります。
サービスを利用するときは、無料で使える範囲と有料になる条件を確認しておきましょう。
まとめ
クラウドとは、インターネット経由で、必要なITサービスや機能を利用する仕組みのことです。
自分でサーバーなどを用意するオンプレミスとは異なり、サービス提供会社が用意したIT環境を利用できるため、サーバーなどの機器を自社で用意・管理する負担を減らせる場合があります。
身近なところでは、
- Google Drive
- iCloud
- OneDrive
- Gmail
- Microsoft 365
など、さまざまなサービスでクラウドが使われています。
また、クラウドには、
- さまざまな場所・端末から利用しやすい
- サーバーなどの機器を自社で用意せずに始められる
- 自分で管理する機器を減らせる
といったメリットがある一方、
- インターネット環境に左右される
- 利用者側でもセキュリティ対策が必要
- 継続的に費用がかかる場合がある
といった注意点もあります。
まずは、
「クラウド=自分で全部用意するのではなく、インターネット経由で必要なIT環境やサービスを利用する仕組み」
と覚えておけば大丈夫です。
クラウドを理解すると、次に出てくる「AWS」「SaaS」「IaaS」「PaaS」「オンプレミス」などのIT用語も理解しやすくなります。
